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2023年の大寒はいつ? 1年で最も寒いと言われる理由は?

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2023年の大寒(だいかん)は1月20日(金)から2月3日(金)です。
大寒は二十四節気(にじゅうしせっき)の1つで、1年の中で最も寒い季節だと言われています。その年の最低気温を記録することも。
気象庁によると、観測史上最も気温が低かったのは、1902年1月25日の北海道・旭川。大寒の時期です。その日の最低気温はマイナス41.0度を記録したそうです。
二十四節気とは?

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二十四節気は古来より使われてきた季節の指標です。
旧暦(太陰太陽暦)は、月の満ち欠けと太陽の動きを組み合わせてできているため、年ごとに季節と月日にズレが生じます。旧暦を頼りに生活をしていると、種まきや田植えなどのタイミングを逃してしまうことがあるため、太陽の動きに基づく季節の指標が作られました。それが二十四節気です。
二十四節気は、1年間を太陽の軌道をもとに約15日ずつ24に区分し、季節を表す名称がつけられています。大寒はその最終節。1年で最も寒さが厳しい季節とされています。
大寒の最終日がいわゆる「節分」で、その翌日に「立春」を迎えます。冬と春の分かれ目である節分は、年の変わり目に等しいため、節分に豆まきなどをして邪気を払い、新しい年を迎えるのです。
二十四節気それぞれの日付は、国立天文台が決めています。おおよその日付は推測できますが、前年2月最初の官報に掲載される「暦要項(れきようこう)」で公告されるまで確定しません。
冬の二十四節気(立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒)とは?

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二十四節気では、徐々に冷え込みが厳しくなる秋の寒露(かんろ)、霜降(そうこう)を経て、11月の立冬が冬の始まりとされています。小雪、大雪を経て寒さが厳しくなっていき、冬至には日照時間が最も短くなります。
ただし、冬至が一年で最も寒い訳ではありません。日照時間が短くなっても、海水や地面が冷えるまでには1ヶ月程度かかるためです。冬至以降、寒さは増していき、小寒は「寒の入り」と呼ばれ、寒気が強まります。そして、大寒が最も寒くなる頃とされています。
小寒と大寒の約1ヶ月間は「寒中」や「寒の内」と呼ばれます。以下に冬の節気と2022年~2023年の日付を詳しくご紹介します。
・立冬(りっとう) 2022年11月7日
暦のうえでは冬。空気が冷え込み、冬の気配を感じる時期。
・小雪(しょうせつ) 2022年11月22日
寒くなり、山のほうで雪が降り始める頃。
・大雪(たいせつ) 2022年12月7日
雪がさかんに降り出す頃。
・冬至(とうじ) 2022年12月22日
1年で最も太陽の位置が低くなり、日照時間が短くなる。暦をつくる暦法の基点。
・小寒(しょうかん) 2023年1月6日
寒の入りで、寒さが厳しくなる頃。
・大寒(だいかん) 2023年1月20日
冷気が極まり、1年で最も寒さが厳しい頃。
大寒をさらに3つに分けると・・・?

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二十四節気のそれぞれの節気をさらに3つに分け、72に区分した七十二侯もあります。大寒の3つの候をご紹介します。
初侯・款冬華(ふきのはなさく)
「款冬(かんとう)」とは早春を代表する山菜の「ふき」のこと。ふきのとうが顔をだし始める頃という意味。次侯・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
沢に氷が厚く張りつめる頃という意味。「腹」には「厚い」という意味もあり、沢に流れる水さえも厚く凍るほど冷え込む様子を表しています。末侯・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
七十二侯の最後の候。「乳」は「産む」という意味もあり、鶏が卵を産み始める頃を表します。今の鶏は年中産卵しますが、本来ならば冬には産卵せず、春が近づくと卵を産み始めました。大寒には、どんな行事がある?

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小寒の始めから大寒の終わりまでの約1ヶ月間は「寒の内」や「寒中」「寒」と呼ばれます。1年の中で最も寒いこの時期を乗り越えるために、様々な行事が生まれました。
【大寒の行事 1】 「寒稽古」「寒中水泳」
寒の時期に鍛錬すると、心身ともに向上すると考えられていました。そのため、厳しい寒さの中で稽古をするようになりました。【大寒の行事 2】 寒中見舞い
寒中見舞いは、小寒と大寒の期間に出す季節の手紙です。健康を気遣う季節の便りとして出されることが多いのですが、松の内を過ぎた年賀状の返信などにも使われます。詳しくはコチラをご覧ください。
冬ならではの食べ物!? 大寒の行事食とは?

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大寒の頃には、厳しい寒さならではの食文化がみられます。寒中に汲む「寒の水」は飲むと身体に良いとされてきました。寒の水でついた餅である「寒餅」、真冬にとれる「寒蜆(かんしじみ)」、「寒海苔(かんのり)」など、数多くあります。代表的な3つをご紹介します。
【大寒の食べ物 1】寒の水
「寒の水」は真冬の水ならではの手が切れるほどの冷たさ。雑菌が繁殖しにくく長期間腐らないとされ、汲み置きをして、薬や料理に使う家もありました。水が清らかなので、霊力もあると考えられていたそうです。【大寒の食べ物 2】「寒仕込み」の酒、醤油、味噌など
寒の水を使うと発酵がゆっくりと進み、味に深みが出ると言われていました。そのため、この時期に作られた「寒仕込み」の発酵食品は珍重されるようになりました。【大寒の食べ物 3】大寒卵
大寒の時期に産まれた卵を「大寒卵」と呼びます。本来、鶏は冬には産卵せず、春が近づくとようやく卵を産み始めます。ですから、大寒の時期の卵は貴重でした。また、この時期の卵は上質で栄養価が高いといわれています。大寒の時期にオススメのレシピはコレ!
「大寒卵」を食べて元気に!「たまご料理レシピ」まとめ

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おわりに
厳しい寒さを乗り越えるための、さまざまな行事や食事があるんですね。簡単に取り入れやすいものから、伝統的な日本の過ごし方を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考:三浦 康子「大寒とは?2022年はいつ?食べ物「寒仕込み」や寒中行事も解説」
参考:三浦 康子「立冬とは?2021年はいつ?意味・風習や過ごし方を解説」
参考:国立天文台「令和4年(2022)暦要項」「令和5年(2023)暦要項」参考:国立天文台{{{a href='https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/B5A8C0E12FC6F3BDBDBBCDC0E1B5A4A4C8A4CFA1A9.html' target='_blank'>「二十四節気とは?」
参考:国立天文台「こよみ用語解説 二十四節気」
参考:国立天文台「七十二候」
参考:気象庁「歴代全国ランキング」
この記事の監修
もっと見る和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら、季節の行事や生活の知恵など、今の暮らしを楽しむ方法をメディアにて提案。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『粋なおとなの花鳥風月』(中経出版)、監修書『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)、『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数
三浦康子 和文化研究家
コピーされました
公開日:2020.11.10
最終更新日:2022.12.16
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